マラナタ 主よ 来てください!


畠神父


 広汎性発達障がいの理解と支援

広汎性発達障害家族教室の集まりに出かけました。
 近くの歩いて5分のところにある池田市保健所で講座がありました。

 発達障害者支援法 (2005年4月施行)について、
 従来の発達の量的遅れ(精神発達遅滞)に焦点があったのを、質的偏りと歪み(ADHD、LD、広汎性発達障害ー広義の自閉症、自閉症スペクトラム障害など)にも取り組む支援で、この支援法は、軽度の発達障害にたいして、国、自治体のレベルでも支援していかなければならない法的な根拠となる法律で、発達障害者支援センターを中心に活動支援するものです。

 軽度の発達障害は、IQは正常 あるいは高度な場合が多く、先進国アメリカでは、早期に発見することは、国益になるということで、才能を発掘し、特殊教育、英才教育する環境を整え、優れた研究者や人材を育てる国家戦略のための予算が組み込まれている。しかし、一般に、当人にとっては 対人関係が弱くトラブルを起こしやすいとか、失敗体験の積み重ねにより外傷体験を引きずってなかなか抜けきれないとか、被害者意識が強く残り、プレッシャに弱いとかの悩みをもつが、偏りが得意分野に適合すると第一人者になることが多いのも特徴です。それらを当人が認知し、また周りが支援することでより質の高い人生を送ることができると思われます。日本はどちらかというと、横並び教育で人と違うといじめにあうような環境なので、大変な人権侵害に遭遇する可能性の方が高い。

障害の3特徴
 (1)社会的(対人)相互作用の質的障害
 (2)コミュニケーションの質的障害
 (3)行動、興味、及び活動の限定された 反復的同一パターンの形成


 生きにくさを感じる人は、いちどこの観点で見てみるといじめにあうことや傷つきやすさはの原因の一つに思い当たるかもしれません。人格の問題や霊的な問題として誤解されて悩んでいる人には光になるにちがいありません。

 精神科医の話では、
 主訴は、「うつ」が断然多く、対人関係の悩み、-人間関係がとれない、コミュニケーションが苦手、対人トラブルが多い、不登校、ひきこもり、仕事や家事がうまくできない、夫婦関係、子育てがうまくいかない、こだわり、脅迫観念、フラッシュバックで悩むなどのことでーその訴えのパターンとしては、人に、あるいは人と人との間に溶け込めない、昔から人に避けられる、嫌われる、変わっているとみられる、どうしてかわからない、人の考えがわからない。予期せぬことを起こるとどうしてか分からない、パニックになる、急かされると困る。などです。

 先月池田教会で行われたカトリック医師会の大阪支部の講演会のテーマ「鬱」で伺った話と合わせて考えると、人間関係に不得意な障害を持つ人たちが、人間関係を上手に消化できずにうつになることが多いのではないかと気づきました。「鬱」が毎年50万人増えているという澤先生の統計では、3人に一人は鬱にかかる風邪のようなものですというお言葉もあり、誰でもかかりますよというお話でした。まじめで、正義感が強く、一つのことに集中する職人気質、日本人の国民性そのものが病をもたらす。そんな印象でしたが、広汎性発達障害は文部科学省の調査では、児童生徒の総数の6.3% 、100人に6名の割合でみられるということなので、これも国民的な問題なのだと初めて認識しました。


 国民全体がそのような障害と紙一重の国民的性格を持っているのではないかと思うと、国際舞台で孤立したり、日本人に発言を求めるのは至難の業と国際会議で揶揄される理由もわかるような気がしました。

 よい勉強会になりました。

(上記の話された内容はわたしの個人的な印象を混ぜてまとめたので、専門的な間違いがあればそれは私の責任です。学校の現場では2~3年前から意識されてきた話題ですが、実際は、幼児精神科医なるものが地方では皆無で、話題は先行するが診断してくれる精神科医には出会えない場合があると聞きました。)
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